骨にはどのような形の違いがあるの?|長骨、短骨、扁平骨、含気骨など
『からだの正常・異常ガイドブック』より転載。
今回は「形別の骨の種類」に関するQ&Aです。
山田幸宏
昭和伊南総合病院健診センター長
骨にはどのような形の違いがあるの?
骨を形によって分けると、長骨(ちょうこつ)、短骨(たんこつ)、扁平骨(へんぺいこつ)、含気骨(がんきこつ)などがあります。
長骨は長く伸びた管状の骨で、上腕骨、橈骨、尺骨、大腿骨、脛骨などがあります。上肢の長骨は様々な作業を行い、下肢の長骨は移動動作を行います。
短骨は不規則な形をした短い骨で、手根骨や足根骨などがあります。これらの骨は立方体様の骨が敷石のように並び、手首や足首の可動性を保っています。
扁平骨は板状の扁平な骨で、頭頂骨、側頭骨、肩甲骨、胸骨、肋骨などがこれに当たります。
含気骨(がんきこつ)というのは、骨の内部に鍾乳洞のような通路があり、空気が自由に流れるようになっている骨のことです。鼻腔を形成する篩骨、上顎を形成する上顎骨などがこの仲間です。
以上の骨の分類に入りにくいのは、頸椎、胸椎、腰椎を形成する椎骨です。
椎骨(ついこつ)は臼状の骨が積み重なっており、椎骨と椎骨の間には、線維軟骨でできた弾力性のある椎間(円)板(椎間円板)があり、椎骨とは椎間関節で連結されています。この椎間円板は常に縦方向に強い圧力を受けているため、変性を起こしやすく、後方に脱出(ずれること)すれば椎間板ヘルニアになります。
MEMO椎間板ヘルニア
椎間板は、内部の髄核(ずいかく)とこれを包線維輪(せんいりん)から成り立っています。
椎間板ヘルニアは、線維輪や髄核が脊柱管内へと押し出され、脊柱管内が狭くなった状態です。脊髄や神経根が圧迫されるため、疼痛や運動麻痺などが生じます。
本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『看護のためのからだの正常・異常ガイドブック』 (監修)山田幸宏/2016年2月刊行/ サイオ出版